—— まずはチームを大幅に変えたところから聞かせてください。メディアのインタビューではロバート・サクレ選手の引退(サンロッカーズ渋谷と契約を締結していたが、シーズン開幕前に突然引退を発表した)があって、大きくチームを変えなければいけなかったと話されていましたが、それだけでこういうチームになるとは思えなくてですね。
伊佐 はい。
—— 大きな存在が抜けて穴が開くと、普通は同じような選手で埋めると思うんですよ。でも渋谷の場合はそうではなく、まったく違うチームになりました。
伊佐 ライアン(ケリー)は契約が決まっていたので、仰るように、サクレと同じタイプの選手を連れてくるのも、もちろん一つの方法でした。でも、僕の中では機動力のあるバスケットをしたいということが根底にありました。去年の途中からヘッドコーチをやらせてもらいましたが、結果的には、やりたいことが半分もできてないようなイメージでした。
—— 元々やりたいことですね。
伊佐 そう、元々やりたかったことです。去年は、僕のやりたいバスケット、プラス、選手達に合っていることを探しながらやっていました。それが、サクレが引退したこともあって、やりたいバスケットをやろう、機動力がある選手を集めようということに繋がった。
—— 選択肢としてはいろいろあったけど、思い切ってやってしまおうと決断するきっかけができたということですね。
伊佐 そうですね、きっかけは確かにその引退です。
—— 理想である機動力のあるバスケとは、琉球(ゴールデンキングス)時代から引き継がれたものですか。それとも、この渋谷というチームでやりたいと思われたことですか。
伊佐 その引き継いだ部分、根本の僕のバスケットボールの考え方の部分です。人とボールが動く、機動力があるバスケットがあって、それに対して今の選手に合うシステムが理想なんです。琉球にいた選手達も渋谷とは違うタイプで、違うバスケットに見えますけど、システムが少し違うだけで、やろうとしていることの考え方は同じなんです。
—— ディフェンスでもオフェンスでもしっかり走って、機動力を生かして、それを強みに戦っていく。
伊佐 そうですね、はい。
—— オフェンスでは、オンボールだけではなく、オフボールでも積極的に動いて、かき乱していく形ですよね。コーチもNBAのウォリアーズの話をされていましたが、かなりそれが生かされているように見えます。スクリーンでシューターが外に出て、そのままクイックにインサイドにカットしたり。
伊佐 そうです。
—— 去年もそういったプレー自体はありましたよね。それが今年は更に加速した。選手の補強も引退をきっかけに変更したのですか。
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