バスケットボール アナリスト – 佐々木クリス ロングインタビュー

DABUDORI

マササ まずはNBAの話から伺いたいのですが、クリスさんはWOWOWのNBA中継だけでなく、NHKでも「世界最高峰」という言葉を使われています。特別な思い入れがあるのでしょうか。

佐々木 ハハハ。そこまでこだわりはないんですが、やはり自分自身すごく憧れがあったし、ヨーロッパを楽しむというスタイルの人もいますが、NBAは、もうバスケットボールという競技をも超えているんじゃないか、というのが自分の中にあります。どんどん万能な選手が増えて、どんどんペースも上がって、アップテンポなスタイルじゃないとプレーできないところも踏まえてですね。WOWOWで慣れているのももちろんあります。

マササ でもまあ間違いなく。

佐々木 そうですね、間違いなく世界最高峰だと思いますよ。確かに一時期アメリカ代表がヨーロッパ、アルゼンチンに勝てなかったし、その頃のゲームを見返しても面白くないですし。
 ユーゴ圏の方とのお話でアレクサンダー・ニコリッチ(バスケットボール、FIBAともに殿堂入りのユーロリーグ偉大な貢献者50人にも選ばれている元ユーゴスラビア代表監督。FIBA世界チャンピオン、ワールドカップチャンピオンなどタイトルも多数)が出てきて、「ユーゴバスケットボールの父」がどういうことを考えてアメリカに対抗したかという話も聞けて興味深かったのですが、それでも2010年にノビツキーがピックアンドポップ(オンボールスクリーンをかけたスクリナーがバスケットに向かわず、外側に動くプレー)にもう一度フレアスクリーン(ボールから離れる方向にかけるスクリーン。主にシューターをオープンにする目的で使われる)を入れてスリーポイントを決めたあたり(ダラス・マーベリックスは10~11シーズン優勝)から、スリーポイントの威力やストレッチフォー(スリーポイントシュートのスキルを持つパワーフォワードのこと。敵チームのディフェンスがスリーポイントライン近くを守る必要があるため、コートを広く使って攻めることができる)の威力だとか。ポポビッチ(サンアントニオ・スパーズHC)、ドン・ネルソン(バスケットボール殿堂入りの名選手、名コーチ。マーベリックス、ゴールデンステイト・ウォリアーズのHCも務めた)がかなり早くヨーロッパに行って、カーライル(現マーベリックスHC)がそういうところからヨーロッパのものを取り入れていますけど、今のウォリアーズを見ると、それをまた次のレベルで昇華させているのかなと。

マササ 戦術でも、スタッツでも。

佐々木 はい。だから一時期、戦術的にはユーロリーグの方が上回っていたことは否定しませんが、今はまたNBAが引っ張っていると個人的には捉えているので、世界最高峰と自信を持って言えるかなって思います。

マササ クリスさんとはアントニオ・ラング(ユタ・ジャズのアシスタントコーチ。元三菱電機ダイヤモンドドルフィンズHC)のセミナーでお会いしました。私は、スタッツの使い方について、フロントオフィスとコーチで差がありそうに感じたのですが。

佐々木 そうですね、実際ユタにも行って、アナリティクスのスタッフの隣で試合を見てきたのですが、例えば…

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